ハノイの投資環境と新規プロジェクト2018年

2018/06/03

ハノイの投資環境と新規プロジェクト2018年


ハノイ

ハノイ(ベトナム語: Thành phố Hà Nội / 城舖河內)は、ベトナム社会主義共和国北部に位置する都市で、同国の首都。南部ホーチミン市に次ぐ同国第2の都市であり、政治と文化の都です。地名の「城舖河内」は、当時の街(現在のホアンキエム・バーディン・ドンダー・ハイバーチュンの4区にほぼ相当)が紅河とトーリック川(蘇瀝江)とに囲まれていたことに由来しています。2015年の人口は758.8万人。紅河の右岸にあり、国内の工業の中心地で、農産物の集散地ともなっています。また、一柱寺など史跡も多くあります。東南アジア有数の世界都市であり、ホーチミン市がベトナム経済の中心地である反面、ハノイはベトナムの政治・文化の中心地と言われることが多いです。
(出所:Wikipedia


ハノイの人気エリア

ハノイの中でも外国人、日本人に人気のエリアをご紹介します。


ハノイの不動産市場2018年第1四半期

Savillsはハノイの不動産市場2018年第1四半期についてこのようにまとめています。

GDP成長率は2018年第1四半期7.4%を記録し、過去10年間で第1四半期としては最高となりました。主にその推進力となったのは工業、建設業、続いてサービス業です。インフレーションは十分にコントロールされており、消費者物価指数は前年同期比で2.8%増となりました。
540億USドルという好調な輸出が130億USドルの貿易黒字を生みました。主な輸出先はEU、続いて米国となっています。海外からの観光客も増え、420万人と前年同期比で31%増となりました。海外直接(FDI)総額は、570億USドルで、最大の投資国は韓国です。FDI実行額は380億USドル、前年同期比で7%増となりました。

1. リテール: 賃料増、稼働率減
在庫は合計で約130万㎡、前期比からは大きな変化なく、前年同期比では4.2%増となりました。過去4年間で、在庫は年間平均12.2%増加しています。1階部分の平均賃料は、前期比で0.4%増、一方で稼働率は前期比で‐1.2ポイントの減少、主にショッピングセンターセグメントの変化が要因です。CBD(中心業務地区)は低迷する一方で、東部は好調でした。2020年に向けて、新しく18プロジェクトがローンチ予定で、合計410,000㎡追加されることになります。将来の供給量の多くは、西部のレジデンシャル・コンプレックスの一部となっています。

2. オフィス: CBD グレードAが引き続き好調
グレードBのプロジェクトが2件セカンダリーエリアで操業開始し、在庫は合計で160万㎡、前期比1.6%増、前年同期比で2%増となりました。平均賃料は前期比0.6%増、稼働率は前期比‐0.5ポイントの減少となり、市場全体としては比較的安定的でした。グレードAが賃料を大きく改善した一方で、グレードBは稼働率が改善、特にCBD以外のエリアで顕著でした。
ハノイは、2018年第1四半期、5,010のビジネスが新設され、2018年に12%の成長を目標にしています。2018年残りの3四半期で、新しく13プロジェクト加わり、235,000㎡以上が供給される見通しです。その多くは西部となっています。

3. サービスアパート:西部で最高価格  
50プロジェクトにより在庫は前期比1%増、前年同期比では19%増となりました。主に、グレードA在庫の増加とグレードCプロジェクトの保留によるものです。2018年以降、17プロジェクト、合計1,400ユニットが市場に追加される予定です。
平均稼働率は、前期比で‐0.9ポイントの減少、前年同期比では‐3.4ポイントの減少となりました。平均室料(ARR)は前期比0.6%増、しかし前年同期比では‐5.6%減となりました。西部の室料が最高の32.4USドル/㎡/月を記録、一方セカンダリープロジェクトは90%が埋まりました。
2018年第1四半期、ベトナム向けFDIは388億USドル、前年同期比で7.2%増となりました。

4. ホテル:5つ星の業績好調
50室の新しいホテルは公式には3つ星がつけられています。在庫は約10,000室、前期比1%増、前年同期比で9%増です。
平均稼働率はやや減の前期比-1ポイント、しかし前年同期比では4ポイント増となっています。ARRは前期比で-3%減、前年同期比で-7%減となりました。5つ星ホテルの平均収益は1泊111USドル/室で、4つ星の二倍、3つ星の三倍となりました。ハノイ市統計局によると、2018年最初の二か月で、約100万人の海外からの旅行客がハノイを訪れ、前年同期比で31%増となりました。2018年は新しいプロジェクトが44件立ち上がり、全グレードにわたって圧力がかかる見通しです。

5. アパートメント: 新規ローンチ減少
新規プロジェクト11件および立ち上がり済みのプロジェクトの新フェーズ14件により5,530ユニットが投入予定、前期比-21%の減、前年同期比では-40%の減となりました。一次供給は、24,000ユニット以上で、前年同期比でも安定しています。トゥーリエム区およびホアンマイ区が市場をけん引しています。
販売は、前期比で-15%減、前年同期比で-11%減となりました。成約率は前期比、前年同期比ともに-3ポイント減、24%となりました。グレードBが需要をけん引、61%シェアを占めました。平均希望価格は平米あたり1,250USドル、前期比では横ばい、前年同期比では-8%の減となりました。2018年、38プロジェクト、20,000ユニットが立ち上がり予定ですが、そのほとんどはグレードBです。

6. ヴィラ&タウンハウス: 業績は一時的に減少  
在庫合計は41,099戸、前期比で1.7%増、前年同期比で13.9%増となりました。ハドンがシェア24.3%で市場をけん引、続いてホアイドゥックとなっています。新規プロジェクト3件と6件の新フェーズにより、約670戸が供給されました。一次在庫は約3,190戸、前期比で-18.7%減、前年同期比では13%増となりました。販売は前期比で-43%の減、前年同期比では-30%の減となりました。成約率は25%で、前期比-10.6ポイントの下げ、前年同期比では4.7ポイントの上げとなりました。2018年第2四半期から2019年にかけて、新規供給は23プロジェクト、11,500戸に上る見通しで、その多くはドンアイン区、ザーラム区、ダンフォン区、トゥーリエム区です。


ハノイの地下鉄計画

かつてのハノイ市内の都市交通は1901年に開通した路面電車が主流でした。全盛期には5路線が存在しましたが、1989年までに全線が廃止されました。路面電車廃止から今日に至るまでハノイ市内の公共交通機関はバスのみとなり、ドイモイ政策導入以降の都市化の進展や経済成長による自動車やバイクの増加も相まってハノイ市内の交通渋滞や大気汚染は深刻な問題となっています。

これらの事情から1990年代後半以降にベトナム政府やハノイ市人民委員会により都市鉄道の整備計画が幾度にわたり立案され、2003年に『2020年ハノイ交通計画』が策定されました。都市鉄道建設計画は、ベトナム運輸省のマスタープランの一部であり、民間の自動車輸送機関の利用削減および都市環境の強化を目的としています。 建設計画全体は、以前はトラムおよび公共交通機関開発管理ハノイ局 (HATD) として知られていた、ハノイ市都市鉄道輸送プロジェクト委員会 (HRB) によって推進されています。

2010年9月25日にフランスのアルストム社によって3号線の建設が開始されました。続いて、2011年10月10日には中国の中鉄六局集団有限公司によって2A号線の建設が開始されました。2018年5月現在、いずれの路線も完成していませんが、同年9月2日に2A号線の試運転を開始予定であり、同年第4四半期に開業予定です。

2016年3月31日にはグエン・タン・ズン首相により2030年までに高架および地下から成る8路線を建設することが決定されました。1号線および2A号線は交通省、その他の路線についてはハノイ市人民委員会が出資しています。
(出所:Wikipedia


ハノイ2018年4月以降の不動産関連ニュース



2018年第1四半期、北部の不動産市場は、ヴィンフック、タイグエン、フンイェンといったハノイ近隣県で土地区画セグメントの価格上昇がありました。グエン・ホイ・アンCBREハノイ・コンサルタント&リサーチダイレクターによると、ここ数年、ハノイの不動産市場はハノイ西部に動きを移しており、インフラも急激に発達しています。今後、ハノイにおける不動産開発は、整備されたインフラのおかげで郊外に向かって拡大、近隣県の不動産市場の成長を促進することになるでしょう。その他、4月以降の不動産関連ニュースをいくつかご紹介しましょう。

■ハノイのコンドミニアム市場、外国資本を引き寄せる
CBRE Vietnam
専門家によると、ベトナムの不動産市場は、その高い流動性と魅力的な採算性から、外国人投資家に引き続き人気だといいます。CBREの最新のレポートによると、今年の第1四半期で8,800ユニットの新しいコンドミニアムがハノイの不動産市場に売りに出され、うち6,600ユニットがすでに売約済みだといいます。CBREは、2017年に対して今年はコンドミニアムの販売数が9%アップし、28,000ユニットに達すると予想しています。十分な供給は、現在の急成長する市場需要に追いつくためで、これらの需要は都市部人口の急激な増加、しかも多くが若者となっています。動向を踏まえたうえで、香港のアウトバウンド不動産会社のひとつであるゴールデンエンペラーのダイレクター、テレンス・チャンは、大規模なインフラプロジェクトと好調な外国資本の流入が、ハノイの好調な経済をけん引し、不動産市場を刺激した要因の大きなところであると言っています。

コンドミニアムセクターでは、ガムダ・ランドが、受賞コンドプロジェクト「ザ・ゼン・レジデンス(ハノイ・ホアンマイ区ガムダ・ガーデンズ)」が、主要道路と接続する戦略的なインフラで、圧倒的なアドバンテージがあります。

■FLCグループが7月にFLCショッピングセンター1号店をオープン
Vneconomictimes
ハノイのコウザイ区、コウザイ通り265、FLCツインタワーに位置するこのショッピングセンターは、幹線道路にアクセスが良く、建設予定の地下鉄第2号線の駅の近くという絶好のロケーションです。FLCショッピングセンターは、6フロア、総床面積は25,000㎡。複合用途のFLCツインタワーは、163,188㎡の土地に建ち、50階建てのレジデンシャルタワーと38階建てのオフィスタワーに、基礎部分5階がリテールスペースとなっています。6月にフル操業が予定されています。


■西湖湖岸の高層プロジェクト却下
Dan Tri News
ハノイ当局は、西湖の湖岸に36階建てホテルを建設する計画について、地域で許可されている高さを超えるとして却下しました。ハノイ当局によると、タン・ロイJSCがホテルをアップグレードして国際的な基準のホテルにし、ロケーションを活用しようとしていることに感謝の意を述べました。「しかし、提出された36階建ての建物の計画は、許可されている高さを超えているため許可することができない」と、ハノイ市人民委員会から提出された公式文書に書かれています。
ラック・ロン・チュアン通り584に市のゲストハウスを建設するという提案についての噂に関しては、ハノイ市人民委員会は当該地に投資をする計画すらないと言っています。


■ロンビエン区の不動産に成長機運
VnEconomy
ハノイの北東の玄関口にあるロンビエン区は、都市化や経済成長だけでなく、ハノイ市の技術インフラ・社会インフラが最も進んだエリアのひとつであるという点においても進んでいます。紅河とドゥオン川に14の橋をかける計画もまたこの市場を新たな高みに持ち上げる要因となるでしょう。よりよいインフラ、現代的なインフラにより、ロンビエン区の不動産は恩恵を受けてきましたし、さらに今後も開発が進むでしょう。しかし、一般的には、供給が、バイヤーや投資家を引き付けてやまないロンビエン区の需要に追い付いていません。ロンビエン区は、ヴィングループ、ユーロウィンドウ、MIKグループ、ヒム・ラムといった「大所」の不動産会社と一緒に、紅河の北岸に近代的な都市を築こうとしています。これによって、多くの人が混雑したエリアからロンビエン区に移り住んで暮らしを楽しもうとしています。


■テウォン・トゥドゥック・ハウス、ハノイで1億1,500万USドルの不動産プロジェクト
VIR
韓国系のテウォン・トゥドゥック・ハウスは、5月14日、ベトナム・マニュファクチャリング・アンド・エクスポート・プロセッシング社(VMEP)とジョイントベンチャーを組み、ハノイに1億1,500万ドルの不動産プロジェクトを開発すると公式発表しました。SYM-テウォン・トゥドゥック・ハウジング・デベロップメントJSC(DWtD)と名付けられたこのジョイントベンチャーは、資本金2,300万USドルで、テウォン・トゥドゥックが49%出資しています。ハノイ・ハドン区のラ・ケ地区に位置するこのプロジェクトは、40ヘクタール以上の土地に、オフィス、貿易センター、高層アパートビル、タウンハウス、スーパーマーケットその他の施設が入るコンプレックスになる予定です。


■ハノイ市、メリン-ドンアンルートを承認
VnEconomy
メリン区とドンアン区を通る環状道路3号と5号は全長9.1kmの予定。トゥオンカット橋の交差点をスタートポイントとして、国道5号線を通り、紅河北の環状道路3号線との交差点が最終地点となります。県道レベルの道路となります。


■ハノイ:ドンマイ、226ヘクタールの計画承認
VnEconomy
土地面積は約226ヘクタール、人口19,500。面積は2つのパートに分けられます。1)環境に優しいレジデンシャルエリアと2)ドンマイの恵まれない軍隊士官のための公営住宅です。
この面積には、スポーツ活動のための公共エリア、レジデンシャルエリア、公園、駐車場、学校用地も含まれます。ビルの高さは、平屋から8階建てまで。環境にやさしい低層住宅の最大高は3階建てで、公営住宅の高さは8階建てとなっています。このプロジェクトはフォンフー・インベストメント&デベロップメントJSCによって企画されており、9か月で完成を予定されています。
ドンマイの北東は、環状道路4号線に隣接しており、北西はイェンギア地区と高速道路6号線に隣接、南東はタイン・オアイ産業クラスターに隣接、ドンマイ南部は、ビン・ホア地区、タイン・オアイ区に隣接しています。

(出所:CRBE Vietnam