[ミャンマー] 不動産デベロッパーが受けるドル高によるプレッシャー

2018/08/17

[ミャンマー] 不動産デベロッパーが受けるドル高によるプレッシャー


ドル/チャットの為替レートが上がっています。これにより建設資材のコストもあがり、不動産の建設業者に圧力がかかっています。

建設機械や鉄鋼棒などの資材は、海外から輸入されており、ドル高を受けて、これらが地元のデベロッパーや建設業者にとってより高価になってきています。

さらに、石油も輸入のため、これらの資材の輸送にかかるコストもまた上がっています。

「鉄棒やその他建設資材などの基本的な資材を輸入するのがより高くなってきているので、建設コストも上がるでしょう」とミャンマー建設業協会の書記長ウー・チョー・チョー・ソー氏は言います。「ミャンマー不動産に対する需要がまだ柔軟な時に一気に訪れた、このコストの圧力は、地元のデベロッパーには悪いニュースです」iMyanmarHouse.comのマネージング・ディレクターのウー・ネイ・ミン・トゥ氏は言います。
 
「チャットの価値が大きく下落しています。一歩、需要が低迷しているため、アパートの幅い価格がこの下落を相殺するほどに上がっていません。結果として、デベロッパーの中には、4年前と比較して、20%も価格を下げざるをえなくなったものもあります。」と彼は述べています。

 

(出所:xe) 


プレッシャー高まる
 
これによりデベロッパーの多くは、特にアパートに関して、赤字に追い込まれるでしょう。というのも、為替レートが急上昇する前に事前販売したり、バイヤーによる予約がされてしまっているからです。コンドミニアム法が施行される前は、物件の取引に関する取り決めを売り手と買い手が直接行うのが一般的で、例えば、前金を先に払って、物件が完成し引き渡された時点で残金を払うというものです。

「こういった取り決めの下では、デベロッパーは、コストが上がるにつれて、進行中の工事の資金繰りに対する圧力を受けることになります。」とアジア・コンストラクションのジェネラルマネージャー、ウー・ヤン・アウン氏は話します。

サクセス・プロパティ・コンサルタント社の不動産セールスディレクター、ウー・チョー・シ・トゥ氏によると、全体として、物件の販売価格を上げるための再交渉や再調整ができない場合、デベロッパーが5~10%の損失を被らなくてはならないといいます。
 
銀行とタイアップして分割払いプランでユニットを販売するデベロッパーにとっては、状況はもう少し穏やかだと、ウー・チョー・チョー・ソー氏はいます。「分割払いプランでは、デベロッパーに支払いを行うのは銀行であり、バイヤーから直接回収するよりもリスクが少ないのです。」
 


外国人にはチャンス?

裏を返すと、バイヤー、特に外国人にとっては、ミャンマーの不動産に進出するのには絶好の時期です。「チャットが下落しているので、外国人がミャンマー不動産に投資するのにはいいタイミングです」とウー・ネイ・ミン・トゥ氏は言います。ただし、ウー・チョー・チョー・ソー氏は、「不動産セクターを管理する強力かつ明確な法律に欠けているため、ミャンマーに投資するか否かというときに投資家が躊躇する原因となっている」と指摘します。「外国人投資家は、為替レートの変動よりも、不明確さを恐れますから。」と彼は言います。

(出所:Myanmar Times

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